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いち市民とCOVID-19

※当記事はCOVID-19に関する話題を扱っていますが、正確性はありません。あくまでも、一個人の雑感を綴っています。

 

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葛西臨海公園の桜

 

 「新型コロナウイルス」、この存在が巷の話題を席巻するようになって二ヶ月ほど経つだろうか。最初は中国の地方都市で流行り始めた病だったのに、あっという間に全世界へ伝播し、いまやアジアだけでなくヨーロッパ・アメリカ大陸まで犯す世界的な疫病となってしまった。

 

 以下に、専門的な知識があるわけでもない、日本の一市民の雑感を記す。

 

 

ダイヤモンド・プリンセス以前

 中国の地方都市で、由来のわからない肺炎が流行り始めた、という情報が入ったのが2019年の年末あたり。元は中国奥地のコウモリの中に棲んでいたウイルスが、人間に感染したことで、あっという間に都市を犯す流行病にまで発展してしまった。折悪く、流行時期が、人々が大移動をする春節に被っていたこともあって、このウイルスは世界中に広まってしまった。

 

 日本の情勢としては、最初に病の流行を受けた都市から帰ってきた邦人にウイルスの存在が確認されたり、訪日する中国人観光客を規制するか否かで揉めたり、あくまで対岸の火事程度の認識だったと思う。

 しかし、2月初旬になって豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が日本の横浜港に帰港したことで、日本の状況は大きく変わっていく。

 

ダイヤモンド・プリンセス以降

 ダイヤモンド・プリンセスにCOVID-19に罹患した患者が乗船していた事実によって、クルーズ船の中にウイルスがばらまかれてしまったのである。その後、日本政府は厚生労働省を主体に、乗客を下船させず、船に閉じ込めて検疫作業を行うこととした。戦略自体は悪くなかったと思うが、やり方がまずかった。後に、外部から感染症の専門家が招かれてクルーズ船を視察したところ、船内は汚染箇所の特定すらできておらず、乗客・乗員はもちろんのこと、検疫する職員までCOVID-19に罹患する有様になっていたのである。

 

 この事実を、感染症の専門家がすっぱ抜いたことが、日本でのパニックの引き金となった(ように思える)。それまでも品薄だったマスクが、ついにどうやっても手に入らなくなった。なぜか、トイレットペーパーを主とする紙製品が買い占められる事態が発生した。

 市民がパニックに踊る影で、COVID-19の感染者はじりじりと増えていった。とりわけ、北海道での感染者数が急増し、北海道では緊急事態宣言が出されるに至った。

 

一斉休校の要請

 2月27日、日本の首相は「全国の小中学校、高校を一斉に休校する」要請を出す。中国のデータでは、「COVID-19は高齢者・基礎疾患のある人ほど重症化しやすく、反面子供などの若年層は軽症で済むことが多い」とされているのになぜ?全国の教育現場のみならず、多くの現場は大混乱に陥った。後に、この決断は専門家の見識とは無関係に、首相と側近の間のみで下されたことがわかる。

 ただし、首相の鶴の一声で国民の意識が変わったことも事実で、一気に外出やイベントの自粛が進んだ。街には買い物客の他には人の往来がなく、レストランは人気がない。居酒屋も閑古鳥が鳴いているという。気候は暖かいのに、人々は首をすくめ、俯いて歩いている。

 

桜が咲くと……

 とはいえ、いつまでも緊張状態ではいられないのが人間。とりわけ日本人は、桜が咲くと気が緩んでしまうようで、3月20日からの三連休は、花見を楽しむ人出が多かったという。

 時を同じくして、イタリアなどヨーロッパ諸国で感染爆発(オーバーシュート)が起こる。ウイルスは目に見えない上に、COVID-19は潜伏期間が最長2週間と長い。運び込まれる患者の多さに、医療崩壊を起こしてしまったイタリアの惨状などは痛ましい限りである。

 しかし、日本は震源地の隣国であるのに、なぜ感染爆発していないのか?指数関数の傾きが上向く途上にいるだけなのか?何とか感染者・重症者の数を少なく、この難局を乗り切りたい次第だ。COVID-19との闘いは長く続きそうである。

 

個人の雑感

 前置きが長くなりすぎた。ここから個人の雑感である。

 まず、たまたま諸事情で体調不良と免疫力が低下している身にとって、マスクの枯渇は死活問題となった。どこのドラッグストアに行っても、「本日のマスク入荷はありません」の張り紙ばかり。家族からマスクを分けてもらったり、奇跡的に入荷したマスクを大事に利用して何とかやりくりしてはいるが、それもいつまで持つか。。。と不安は尽きない。体調の関係で総合病院へ定期的に受診しており、手洗いは徹底しているもののやはりマスクがないと不安である。(人間は無意識に顔を触っているので、マスクは物理的な障壁として優れていると思う)

 

 また、小さい子供の親としては、COVID-19が若年層をピンポイントで狙わないウイルスであることだけは不謹慎だが幸甚である。しかし、基礎疾患がある老親のことを思うと、やはり他人事ではない。日本での感染者・死者は今の所(2020年3月24日現在)、少なく抑えられているが、死者は数字ではなく、ひとりひとり人生のある個人なのであるから、データよりも感性で考えなければならない。

 

 マスクが全く手に入らなかったり、スーパーの棚から紙という紙が消えたり、人々は淡々とパニックに陥っているようである。最近は収まったが、3月の半ばまで、毎日のようにトイレットペーパーやティッシュの箱を提げた人とすれ違った。ストックするにしても、そこまでの量が必要だろうか?

 

 最後に、人々が外出を自粛し、観光客もいなくなった日本について。

 桜が咲いて気が緩んでしまったので、葛西臨海公園へ花見がてらピクニックへ行った。一応、屋外であり空気が滞留せず、手洗いを徹底する、という対応策を取ってはいる。

 葛西臨海公園は、水族園と遊園地が閉鎖されていた。人出もこの時期にしては相当少なかったように思う。桜は7分咲きというところで、澄んだ空に海風が吹き渡り、実に良い気候であった。正直に言って、人出の少ない葛西臨海公園はとても快適だったのである。グローバリズムの恩恵を受ける身でありながら、内心でグローバリズムのもたらす喧騒を憎んでいた、何とも身勝手な自分の心をまざまざと知ってしまった休日であった。