何たる迷惑であることか!

独自の路線で生きています

茫漠

吾妻ひでおを偲ぶ

www3.nhk.or.jp 漫画家の吾妻ひでお氏が、2019年10月13日に都内の病院で亡くなられていたとの報道があった。69歳だった。心よりご冥福をお祈りいたします。 【以下、個人の感傷】 死因については公表されていないが、おそらく食道がんで闘病されていた折、氏…

父への処方せん

わたしの父は高齢ひきこもりである。元は大企業のサラリーマンだったが、50歳に差し掛かる頃に早期退職をしてからは、15年ほど無職のまま引きこもっている。 退職してのちの父は、「大企業のエリートサラリーマン」だった過去を捨てられず、無職という身分を…

物語になれない

父のことを書こうと思うと、喉のあたりに硬いものが、ぐっとつっかえるのを感じる。 言葉にするのは終わらせることと同義だ。現在進行形の出来事に巻き込まれている間は、言葉にすることができない。逆に言えば、巻き込まれ、とらわれている心を、言葉にする…

三十歳の所感

先日、30回目の誕生日を迎え、無事30歳になった。 特に思うことはない。理由は、年々自分の年齢に対して興味がなくなるから、という時間による減衰だけではなく、「30歳になるまでに自分が達成したい」と勝手に自分に課していた物事を、どういう形であれ達成…

なるほど、笑えた

今年の初めに母方の祖父の葬式があった。2月の冷たい風がぴゅうぴゅうと吹き付ける、研ぎ澄ました刃のように晴れた日だった。 祖父とはここ数年疎遠だった。もともとが人嫌いでひどく気難しく、自分のペースを乱されることを何よりも嫌う人で、連れ合い(つま…

マルチと宗教とミキ・プルーンの苗木

前置き 田舎で暮らすと、必然的に買い貯めスキルが身に付くようになる。 田舎のスーパーマーケットは、倉庫のように店舗が大きい場合がほとんどだ。食料品だけでなく、洗剤から化粧品から植木鉢まで、よろずの商品を一つの店舗で扱っている。利用者の多くは…

少女のように華やいで

twitter.com ---私 夢を叶えたのよ Tweetの内容は、「毎日かあさん」の「齢七十五になったおばあさんが離婚したいと言い出し、晴れて一人暮らしを始める話」なのだが、そういえば母方の祖母も「一人暮らしがしたい、ひとりで暮らしてみたい」と事あるごとに…

Re:Born

ひとりで二人分の引越し作業をするのはわりに孤独な作業だ。 片付けても片付けても、部屋の其処此処に物が見つかる。段ボールを開けるのも閉めるのも、ぱんぱんに詰まったゴミ袋を捨てるのも、すべて自分でやらなければいけない。そして物の半分以上は私物で…

どこに行くのか

門司港駅の九州鉄道博物館にて。 長距離列車はロマンだ。 GWも明けて、いよいよ自分の居場所がなくなりつつある。 アパートの荷物は大部分が段ボールの中へ、職場では刻一刻と自分の役割が後任者に引き継がれていく。 来月からは住む場所も職もない、ただの…

横浜の蒼

今週のお題「ゴールデンウィーク2016」 港の見える丘公園より。横浜市の子供は、必ず社会の授業でコンテナとタンカー、積荷を運ぶクレーンについて学ぶ。海と空と巨大人工物のコントラストは、横浜ではあまりにありふれた光景だ。 神奈川に生まれ、中でも横…

アル中、会社辞めるってよ

近所のお稲荷さんと桜。屍体など埋まっていなくとも、魂を喰われるほどに美しい。 この男の後日談。 kinaco68.hatenablog.com 彼の男が会社を辞めるという。入社3年を全うするぎりぎりでの退社である。ブラックと呼ばれて久しいこの業界では、入社3年以内の…

一身のご都合

ふと思い立って、春先の軽井沢を訪れた。 春の天気は「ふく・ふる・どん」(風が吹く、雨が降る、曇天)というが、このところの天気は汗ばむほど暑かったり歯が軋むほど寒かったりで、誠に目まぐるしい。 気圧に振り回されるのに辟易したので、ふと小旅行に出…

むだにうんざり

※愚痴です 去年の秋くらいから、慢性的に疲れている。疲労し続けている、というのが正しいだろうか。 出勤するのが厭で仕方ない。平日は勿論、休日も気持ちが休まらない。無闇に猜疑心が強まり、人と距離を置きたくなる。粒つぶの浮上はあれど、通してみれば…

おしごと! して!して!

かーみさーまー あーそびにー むーちゅうーでー こーまりっますー♪ おーしごーと! して!して! おちゃめ神物語コロコロポロン OP&ED stereo 吾妻センセのファンだけど、この歌は「監督不行届」でようやく知ったのよね。 監督くん 01話 社会人3年目。 そろ…

一生の意味について

2011年の3.11以降、ぼくの世界はすっかり変わってしまった。 3.11の直前まで、何となく、ぼくはいつまでも死なないものだと思っていた。 死、というものは必ず訪れるお客のようだけど、それは常に「いつか」という曖昧な霧の中に包まれていた。日常において…