何たる迷惑であることか!

独自の路線で生きています

雑感

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 引っ越してすぐに描いたマインドマップ。昔から、アタマがこんがらがったときはマインドマップのお世話になっている。これでもマインドマップ歴は5年、そこそこのマインドマッパーだ(そんな言葉があるかどうかは知らん)。

 絵がアレなのはともかくとして、マインドマップは筋肉と同じでちょっと書かない期間があるとすぐに下手になる……ブランチを伸ばす方向とか。放っておくと、どんどん思考は狭隘になるのだ。

 

 描いてから一ヶ月半ほど経ってから見直してみると、如何にこの時期は自信を失っており、寄る辺ない気持ちでいたかがよくわかる。生活のほぼ全てを否応なしに占めていた「仕事」がいきなり無くなり、代わりに新天地に慣れること、家事を切り盛りすることが新たな仕事として降ってきた。前職はそこそこ激務だったので(IT基盤系)、サーバエラーに伴う24時間電話対応が急に無くなったことが未だに信じられない。「仕事」に身も心も支配されていたので、突然環境が変わったことに耐えられず、何か既存のもの、価値観に縋りたくてたまらなかったのだろう。

 

 さて、だいぶ身辺も落ち着いたいま、精神的にどう変化したかと言うと。

 

 すっごく楽!!

 

 一億総活躍社会(爆)の時代に不謹慎な発言だけど、心からそう思う。

わたしは前職で金融系のSEだったが、この仕事はわたしの本質から見てあまりにも向いていなかった。先天的に恐ろしく不注意な部分があり、この性質と、全ての業務に細心の注意を必要とするSE業とはどうやっても相容れなかった。明らかに「仕事のできない人」として扱われ、多くの失敗を犯し、周囲からは疎まれ、毎日ごめんなさいの申し訳ありませんのと人に頭を下げ続けるのは辛かった。いくら努力しても、注意しても、視野の狭さは治らなかった。毎日、轍に嵌まった車のようにエネルギーが空転して、少しずつエンジンが駄目になっていくのを感じていた。常にギスギス、苛々としていた。昼も夜もない生活の中で、精神に余裕を持つ暇などあるはずもなかった。

 

 そして専業主婦になったいま、時間に余裕ができたせいか、自分がとても優しくなったように思う。不思議なことに、パートナーも同じ気持ちのようで、共働きを辞めたほうが夫婦仲が良くなったように感じる。わたしは生い立ちの上で金のないことが恐怖として身に染み付いており、なおかつサイバラ信者なのでどんなに辛くても職は絶対に手放したくないと思っていた。実際、仕事を辞めて家庭生活に入るのは非常な抵抗があったし、会社員のステータスに未練がないかといえば嘘になる(何かに所属していない人間に、日本という国はことごとく冷たいものなんです)。

 

 ただ、いまの身分には確かな満足がある。パートナーは異動してからぐっと労働時間が増えてしまい、困難な仕事と向き合っている。いまのわたしは、家庭においてパートナーを支えている実感がある。現実的に限界が近づいているのを無視しながら、共働きにしがみついていたら、遅かれ早かれ破綻していただろう。「男も女も、等しく社会で働くのが正義」の時代であるけれど、労働は経済の歯車になることだけを指すのではない。「働く」はもっと多彩で、ポジティブなものになって良いのだ。

 

 

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

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  やっぱりサイバラ信者。