【書評】水谷さるころ「結婚さえできればいいと思っていたけれど」
【あらすじ】
世の婚活女子に告ぐ。
「結婚さえできれば病」に罹っていませんか？
仕事があり友人もいるけれど、恋人はいない。この世の中、女ひとりで生きていくのは辛すぎる。。。
結婚しなくちゃ、結婚しなくちゃ、三十になる前に！！！
30歳で結婚、33歳で離婚、からの36歳で事実婚。。。作者の体当たり人生を真正面から描いた一作。
女のしくじりと幸せの10年間を1000円で読めるのは安いっ！
【感想】
アラサー女性が罹患しがちな「○○歳までに結婚したい病」、私もがっつり罹っておりました。。。とりわけ、社会人になりたての25歳のときがすごかった。
「25歳！？ 四捨五入したら30じゃん！やばい、早く結婚しないと！！」
今思えば、25歳ごときでなぜあんなに焦っていたのか意味がわからない。。。理由もなく、自分が女として20代半ばに入ったということが恐ろしくてたまらなかったのです。
大学院を卒業して25歳で社会人デビュー。その会社と自分が非常に相性が悪く、出勤のたびに自信をなくす日々。時を同じくして、実家では介護問題が末期にさしかかっており、全く未来が見えない時期でした。仕事で自信の土台が突き崩された上に、家庭で安心して自信を築き直すこともできない。毎日ぐらぐらと世界が揺れているような感覚の中、とにかく確固たるものにしがみつきたくて仕方がなかったのです。
結婚がどういうものであるかきちんと考える余裕もなく、ただひたすらに結婚したかった。自分で自分に呪いをかけていたのです。
で、念願叶って25歳最後の1ヶ月間に彼氏と結婚することに成功したものの、フルタイム+残業∞のSE稼業と年中無給の家事サービスを一手に担うのは非常にきつかった。夫となった人も、正直結婚生活にはピンときていなかったらしく、物理的にも精神的にもすれ違う日々。。。憧れていた結婚生活、こんなものだったのか？？
そんな時、たまたまはてなブログで「ハート剛毛系」の記事を読んで、彼女の体験談と怜悧な考察にグッときてしまい、ブログ筆者の水谷さるころ氏(id:salucoro)はてなブログProのファンになったのでした。
ブログ、Twitterのフォローはもとより、新刊が出るたびに買ってます。
「35日間世界一周！」の最終巻でまさかの新パートナーの正体がノダDであったことに「え～～～～～～～!!!!」と衝撃を受けましたが。。。裏ではこんなことになっていたんですね。
さて、本題。フリーランスで活躍するイラストレーター・漫画家の水谷さるころ氏。男女平等に働き、支え合う生活を夢見て婚活に勤しみます。
趣味の空手が縁で知り合った男性と結婚にこぎつけるも。。。
法律婚(ステレオタイプの結婚)は、フリーランスで働く女性には不利な制約が、あまりに多かった。。。
夫と家庭で支え合いながら、仕事も独身の頃と変わらず働いていくはずだったのに、結果として「家事は全て妻がやり、仕事は細る一方。夫は何も変わらず」という事態に疲弊しきってしまい、数年で離婚する羽目に。
手痛い経験を経て、深い洞察を得る。
(とても好きなシーン)
そして、今度こそ本当に支え合う関係を目指して新たなパートナーとの関係を築き出したのでした。
フリーランス女性には不便なことだらけの法律婚から、自分のニーズに合った「事実婚」を選択。「我慢しない・察してもらおうとしない・言葉で調整する」をモットーに、対等なパートナー関係を維持しています。1度目の結婚での手痛い経験を見事に生かした、素晴らしい結果だと思います。今が成功しているのなら、初婚は失敗ではない。結婚、引いては夫婦生活の実践として、大いに参考にし、未来に希望が持てる一冊です。
そして本日、今度は育児をテーマにした新刊発売です！これまたタイムリーに、現在0歳児育児中の私にはありがたい内容の本！予約注文済みです。本が届くまで待ちきれない。。。
さるころ氏の育児ブログ、マイル日記が書籍化されないかなーと楽しみにしていたので、少し違うけれどもそれが現実になって嬉しい。
【おまけ】
私はさるころ氏の空手ネタが好きです。ブログでは特にこの記事がお気に入り。
クリエイター故に家にこもりがちだったさるころ氏の転機となった空手との出会い。
そして、現パートナー・ノダDとの縁を繋いだのもお仕事だけでなく空手というのが興味深い。空手と旅が繋いだ縁、素敵なパートナーシップです！
