【感想】めしにしましょう 1
本日発売、小林銅蟲センセイの「めしにしましょう」第1巻を購入、読了しました。以下、個人的面白ポイントを断片的に散らした感想です。何の役にも立ちませんので、ぜひ買って読んでください。それしか救われる道はありません。
【感想】
*もはや料理人なのか漫画アシスタントなのか正体不明の生物・青梅川おめがさんの仕事の合間のお料理が本書のテーマ
青梅川さんの上司にして漫画家・まだれ(なぜか変換できない)先生の漫画は季節外れの雪のように美しい白紙と枠線、ときどきベタしか見られなかったので、次巻以降も楽しみにしています
*ローストビーフの次はすっぽん料理→蛙+ザリガニ(広義でいうところの蟲) という何が出てくるかわからないスリルとサスペンスがこの漫画の魅力(およそ料理漫画に適切な表現ではない)
それにしても、青梅川さんが小脇に抱えている何らかの袋(?)の正体が気になる。低温調理用のマジックハンドも、顎を取られたハモの屍体もにゅるりと出てくる。おめがもんの四次元ポケット?
*有望な新人は可及的速やかに潰したい
若い才能への嫉妬が余すことなく感じられる一コマ
*読み進めるうちに、青梅川さんの料理観も垣間見ることができます
ゴルゴ13が暗殺に哲学を持つように、料理には美学がある。
*図らずも勉強になるコマが多くあり、学習漫画としての効果も高い
低温調理で肉が柔らかくなる理由がよくわかりました
*上司のコンプレックスは積極的に抉っていくスタイル
某M浦Dるま先生がとある大学に対し大変な情念を抱いており、恨みつらみを燃料に生み出したのが傑作「累ーかさねー」であることはあまりにも有名です
個人的に、「五の膳」にて炊いた飯にいきなり水をぶっかけ、油と卵液に沈めた後豪快に炒めるというチャーハンの工程に大変な親近感を覚えました。我が家でも、似たような工程でチャーハンを作成しているからです。
我が家では味覇をお湯で溶かしたものと卵液を混ぜ合わせ、米をぶち込んでかき混ぜたマテリアルを強火のフライパンで乾かす、という工程を踏みます。米が乾けばそれなりの見た目のパラパラなチャーハンになるものの、過程におけるマテリアルの様相はかなり可哀想な状態となります。
潔ささえ感じられる調理法。一冊を通して、最も感動したページであります。
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お料理漫画は好きでよく買うのですが、「めしにしましょう」は単なる料理漫画というジャンルを越えていると思います。時に科学あり、シュールあり、SFありの具材を、常にギャグが貫いている。次の膳は何か、ワクワクする漫画です。今から次巻が楽しみです。
ちなみに、実写版「めしにしましょう」はこちらです。
小林先生の個人ブログかつ、「めしにしましょう」の予習復習に最適なブログ。漫画と違って白黒でぼかされない、具材の生々しさを味わいたい方、必見です(愛読者)。