何たる迷惑であることか!

独自の路線で生きています

ぼくは一角獣種

 

A-A’ (小学館文庫)

A-A’ (小学館文庫)

 

  モー様こと萩尾望都先生の作品に、「A-A'」というSF短編がある。

 舞台ははるかな未来。遺伝子操作でクリエイトされた人種・一角獣種とその周りの人間模様を描いた作品だ。内容はそれはもう素晴らしすぎて、読むしか感じる方法が無いのでここでは触れない。

 

「一角獣種」とは発達障害者のことを指している、と言われる。

 作中には三人の一角獣種が登場する。クールなプログラマのアディ。喋ることも出来ず、感情を表す術を知らない少女のトリル。男にも女にもなれるしなれないタクト。(これは違うか)

 元々がコンピュータを扱うために開発された種、計算能力等職務遂行能力に優れるが、一転感情の働きが鈍く、「泣き笑いも怒りもしない = 共感能力に欠ける」。

 視覚と聴覚が常人とはずれていて、「聞こえない音を聞き、見えない光を捉える = 感覚過敏」。「ストレスから拒食症にかかる = 二次障害は表に出やすいが、本質的な障害は見えにくい」。

 巷にある「アスペルガー」などという言葉よりも、穏やかかつ鮮やかに「そういう人」の特徴をキャラクターとして生き生きと描いている。

 (モー様ファンの個人的な意見としては、「一角獣種」は天才肌というモー様のお父君や、「明るい自閉症」と言われるご自身の要素が多分に入っているように思うけどね)


***


 わたしは自分のことを発達障害であると感じている。アスペルガー症候群ADHDならアスペ寄り、おそらく「自閉症スペクトラム」の中に入るのであろう。

 何故「おそらく」かと言えば、専門家に診断を受けた訳ではないからだ。

  では、何故「自分を発達障害だと思うか」と言えば、精神科で強制されて受けたIQテスト(WISCなんとか)で言語性IQと動作性IQの差が50以上も開いているとの検査結果が出たからだ。 


 この結果はショックだった。一応、進学と就職は年相応にしたし、人間関係で大きな波乱を起こしたこともないという自意識のもと生活していたので、「まさか自分が」という感覚だった。

 この事については、自分の中で整理がついている部分とまだ混沌としている部分があるので、書きながら考えていこうと思っている。

 ちなみに、検査結果を伝えた医師は「あなたすごく生きづらいと思う」とだけ言って、診療は終了した。いやそこは「動作性IQが低く、特に苦手な分野はこれこれです。工夫していきましょう」くらいの具体的な指示が欲しかったのだが。診療時間はきっちり5分だった。すばらしい日本の精神科医療。

 さて、どうやって生きていこう?