何たる迷惑であることか!

独自の路線で生きています

茶器が好き

 茶器が好きだ。

 

 無骨で重厚なコーヒーマグは、良い。南部鉄器の急須も良ければ、中国茶を淹れる茶壺も良い。あのころろんとした表面の丸みがたまらない。ちなみに茶壺は「チャフー」と読む。

 ふらりと入った喫茶店で、現れた茶器が良ければ、どれだけ出てくるものが不味くても通う自信がある……とまでは行かないが(そもそも良い茶器を出すお店で、食べ物が不味いことはあまり無いように思うけどね)

 中でもティーカップとティーポットに、並々ならぬ執着がある。保温して、口をつける以上の意味を私は茶器に求めている。

 何故これほど茶器に執着するようになったのか。

 考古学オタの子供として幼少期からギャラリーフェイク等の参考書に親しんできたためでもあるだろうし、

 ギャラリーフェイク (21) (ビッグコミックス)

(清香茶会、波照奈の茶碗は名作)

 雑貨屋で見かけた「ティーポットの写真だけを集めたカレンダー」に衝撃を受けたことも要因として多いにあるだろう。

The Collectible Teapot & Tea 2009 Calendar (Wall Calendars)

The Collectible Teapot & Tea 2009 Calendar (Wall Calendars)

 (初めて見かけたのは2003年あたりだと思うが、現在も年に一度新作が発表されている。ティーポットのみをディープに扱うギークさがたまらない)

そんな私だが、つい最近まで普段使いの茶器はミスタードーナツの景品で貰ったティーセットだった。一袋5円の日東紅茶をありがたーく啜っていた。理系の院生なんてものは社会的地位も経済力も極めて低い=霞を食べる存在なので、お茶が頂けるだけ恵まれた生活だったと思う。

 この清貧生活は社会人になっても貫かれており、おかげで「一圓でもお金を使うと激しい罪悪感に襲われる」貧乏性となって骨身に沁みついてしまった。 定期的にお給金が貰える身分でも、相変わらず日東紅茶は繰り返し使う。食べて仕舞えば無くなるものにお金を掛けるのは馬鹿らしい、そう思っていた。

 とはいえ、出会いとは分からぬもの。
 偶然見かけた服屋の店先で、ほぼインテリアとして売られていたティーポットに一目惚れしてしまったのだから面白い。

 ブンツラウカステル (Bunzlau Castle) バレリーナ ティーポット 0.9L

ブンツラウカステル (Bunzlau Castle) バレリーナ ティーポット 0.9L

 これが、「トーマの心臓」でエーリクが投げつけた「マリエ夫人のお気に入りのティーポット」だろうか……幸いにして1ペニヒは稼げる身分になったのだから、自分の好きなものを買ってもいいはずだ、と罪悪感を宥めながら購入。

 トーマの心臓1 萩尾望都Perfect Selection 1 (フラワーコミックススペシャル)

トーマの心臓1 萩尾望都Perfect Selection 1 (フラワーコミックススペシャル)



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  お気に入りの茶器で飲む、お茶は、良い。