何たる迷惑であることか!

独自の路線で生きています

仕事が楽しいの話

 概要

kinaco68.hatenablog.com

 上記の記事で、職業訓練を経て就職した事を書いた。

職場での仕事ぶりはこんな感じ。

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 漫画の余白大きく取りすぎたな

 

 仕事の内容は、企業や公共機関のホームページ保守。必要な技術はHTML5 + CSSに不自由しないこと、メールや電話で意思疎通が取れること、突如出現する宅配便や訪問客に、にっこり笑って対応できること、基本的に説明の足りない上司と依頼主の曖昧模糊なお気持ちを忖度できること。純粋な技術職として就職したはずだが、実際のところ感情労働の方が多い。日本人の労働の大半は技術よりも感情労働に依っていることを痛感させられる。

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 マルチタスクそんなに上手くない脳なので、コーディング中に電話がかかってきたりするとそれまで考えていたことが完全に消滅する。それでも触っているのがほぼHTMLだから、数分のラグで思い出せるものの(HTMLはそもそもプログラミングではなくジグソーパズルの組み立てに近い)、これがPHPのようなきちんとしたプログラミング言語であった場合は悲惨である。そういう意味で、前職は会社の立場上電話の波状攻撃が(ヒラの間は)少なかったため、プログラミングに集中できた事はありがたかった。その代わり、一度ドツボに嵌ると仕事の切れ目がないため時間をひたすら空費する、という弊害もあった訳だが。

 

 新規でサイトを作る事はないが、保守をやっていると結局のところホームページの構造を知らなければならないので、ある意味イチから作るよりも勉強の手間が掛かったりする。職業訓練で使ったCMSWordPressだけだったが、実際の業務ではtypo3a-blogmovable typeなどの多様なCMSを利用する。それぞれに癖があり、同じCMSでもバージョンによって使い勝手が違うため、ひとつのホームページごとに特徴を覚えなければならない。そのあたりかなり面倒で、お世辞にも効率的な業務体系とは言えない。とはいえ、その非合理にも慣れてしまうのが人間なのだが。

 

 ここまでつらつらと述べてきたが、早いもので就職して5ヶ月。個人の実感としてはかなり順調である。仕事で「順調」という文字を使えたのは、社会人5年目にして初めてのことだ。何だ、自分にも向いてる仕事ってあるんだな……と、30歳も近くなってようやく実感できた気がする。

 

プログラミング技術について

 HTML/CSSについては、それほど入り組んだホームページを担当して いないため、つまづく事はほぼない。古くからあるサイトほど、HTML4 → 5への再構築をしていないため、やたら古い作法で書かれていることがあって面食らうことも多いが、職業訓練でHTML4.01をみっちり勉強した甲斐あって、だいたい乗り越えていける。ネットで見ればだいたい答えが書いてあることが多いし。

 

 その代わり、正統派プログラミング言語に触れる機会が激減したため、自分の中でどんどん技術力が落ちていることに危機感を覚えている。筋肉と同じで、プログラミング能力は毎日使っていないとあっという間に落ちてしまうものなのだ。そもそも、論理的思考が得意な訳でもない、「猪突猛進、挑戦と挫折を繰り返し、身体で覚えた」タイプのプログラマなので、放っておけば短期間で素人以下の能力に落ちてしまうだろう。

 

 この問題については、愛用しているプログラミング学習サイト「progate」に機関限定でも課金して、新しい知識を吸収し、プログラミング脳を鍛え直そうと思っている。

ちなみに、progateの無料版はだいたいやり尽くした(面白かった!)ので、課金する事でより多くの世界が開かれることに前向きな気持ちを持っている。

prog-8.com

 

画像編集について

 目下の課題はこれ。ホームページ保守業務は、HTML/CSSの編集や記事の更新だけではなく、キャンペーン用のバナーを作成したり、スライドショーの中身を入れ替えたり、画像編集技術が必要とされる場面が多い。実際、人気があったり信頼されるサイトは、ほぼ全て視覚から得られる情報に優れている。ホームページの構成やユーザビリティ以上に、目に見える絵、というものは大きな力を持っているのだ。

 

 そして、業務にあたる上で、自分は画像編集の力が欠片もないということを痛感したのであった。見るだけの側から実際に作る側に回ってみれば、掛かる苦労は桁違い。そもそも画像の透過方法すら分からず、PNGとJPGの扱いもできず、illustratorで同様の文字入れをするのにも数時間かかる有様。あと、デザインの基礎がわかっていないので、文字の間隔や画像配置も適当にやってしまい、完成したページを見て頭を抱える始末。

 センスは経験と知識で培われるものだと信じて、とにかく進むしかない。その気持ちを込めて、Adobe CCの個人版に加入した。

www.adobe.com

 

 月額5000円強の出費は地味に痛いが、勉強であれ技術であれ、身銭を切らないと力は身につかないものだ。お金の力で、家でも画像編集ソフトが開ける環境を作れたのは大きい。

 面白いもので、割と学生の馴染み深いphotoshopだけでなく、illustratorのような「その道の人なら」使えて当たり前、のソフトに触れてみると、実に多くの巷にあふれる画像が、これらのソフトによって作られていることを理解できるのだった。これも、見るだけの側から曲がりなりにも作る側へ回った役得である。

 

 未だにillustratorへの苦手意識は大きいが(会社のWindows PCで開くとすぐ落ちるし)道楽でこんな画像を作ってみた。学生時代、美術の成績2だった人間にも、オートシェイプと塗りつぶしバケツという魔法を与えたAdobeの功績は大きい。

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人間関係について

 今の職に就いて5ヶ月と書いたが、実のところ勤めていたのは3ヶ月で、その後は今の会社に業務内容はそのままオフィスだけ移る、という形で移籍している。勤め始めて一週間で、社内でお家騒動的なものが発生していることを知らされ、唖然としている間に移籍が決まった、というのが実情である。会社都合であるとは言え、短期間で就職→退職→就職とペケが付いてしまったことは釈然としないものがある。雇用保険も入り直しになってしまったし。

 お家騒動の原因について、詳しいことこそ不明なものの、幹部同士の衝突と摩擦が原因であったことは私でも察せられる。何故そんなに相性が悪い人間たちが仮にも共同経営者として同じ方向を目指していたのか、短くない年月を共に過ごせたのか、私には全く分からない。分からないが、経営を続ける上で一番重要なことは、利害の一致でもビジョンの共有でもなく、個々の感情をどれだけコントロールできるかであるように思えるのだった。そして、感情をコントロールできなかった挙句、このような激しい対立と分断を引き起こすのだ、と。

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今後のビジョンについて

 困った面やうんざりする面はあるものの、今の仕事は非常に楽しくやれている。ただ、転勤族である関係上、長くは続けられないのも事実なので、今の地位に安住することなく、できる限り技術と知識を蓄えて、次に進まなくてはならない。盗めるものはなんでも盗むつもり。

 そんな野心を抱きつつ、毎日の仕事に向かっている。職場に、仕事に、必要としてもらえるのは嬉しいことだ。と、この年にして心を温めている。